協会ビジネスが危ない理由
こんばんは。佐藤友子です。「協会ビジネスってどうなんですか?」と聞かれるので、答えてみました。
(ブログランキングの応援ありがとうございます。今日は協会ビジネスはどのように危ないのか?についてです)
目次
協会ビジネスとネットワークビジネス
時々間違えられるのですが、協会ビジネスとネットワークビジネスは違います。協会ビジネスは、例えば私がA協会というのを立ち上げたとして、「A認定講師」などの資格を発行したとします。仮にあなたがこの資格を取ったとしたら、「A認定講師」を名乗れるというものです。
ある種のライセンスビジネスですね。たとえば、「ときめき片付け」で有名なこんまりこと近藤麻理恵さんは、起業当初は「片付け代行サービス」をしていましたが、今は「こんまり流片付けコンサルタント養成講座」という講座をしていて、「片付けコンサルタント」の資格を発行しています。
こんまりさんの例でいうと、片付け代行サービス=片付けが商品。片付けコンサルタント養成講座=資格が商品。ということになります。ビジネスという面では、両方に需要があるのがわかりますよね。
いっぽう、ネットワークビジネスは個人が代理店のような形で、個人が持っているネットワークを介して商品を売ることです。例えば、私がB社の商品を、友人や知人に紹介してたくさん販売します。そうすると、商品価格の何%かが私に還元されるという仕組みです。
このように、商品提供やお金の流れが違います。ですが、混同されがちだということは、共通点もある。ということは考えられませんでしょうか?
協会ビジネスとかけてネットワークビジネスと解く。その心は?
と、勢いで謎かけ風にしてみましたが(笑)、この2つのビジネス形態は、同じようなところが不安定なのです。時代の流れを考えると、協会ビジネスのほうが、まだ生き残りやすいと考えて良いでしょう。(誤解しないでいただけると助かるのですが、ネットワークビジネスを批判したわけではないです)
その心は、「どちらも間が持てなくなるでしょう」です。間が持てなくなるとは、会話が持たないなどの意味で使われたりしますが、間をつなげなくなるということです。
協会ビジネスもネットワークビジネスも、「本商品」があり、それを代理販売したり、販売する権利があるという点では似ています。自分で商品を生産して売っているのではないという点です。
いわゆる「中抜きビジネス」という形態が、インターネットの普及によって厳しくなるという話は、あなたも聞いたことがあるでしょうか。これまでは代理店を通さないと商品を「知る」ことすらできなかったものが、検索やSNSのシェアなどで手軽に知れて、それどころか購入することすらできます。
消費者の側からしたら、小売店をはさまない方が、メーカーなどから直接商品を買うことができてお得というわけです。ネットワークビジネスは、店舗を持たない個人が小売店の役割をしています。しかし、商品だけが欲しいのあれば、わざわざ小売店を介さなくても同じものを安い価格で買えるのなら、販売元から買ったほうがお得。ということになりそうですよね。
中抜きビジネスはどんどん苦しくなる
さらに、「紹介されたから買わないとな…」という無駄な遠慮をする必要もなくなるので(中にはこういうことがストレスだという方もいるはず)、ネットワークビジネスのビジネスモデル自体が苦しくなってくることは、容易に想像できるでしょう。
では協会ビジネスはどうでしょうか?この場合は少し事情が違ってきます。多くの場合、ネイルやアロマ、先ほどの片付けのように、モノではなくて「資格」「技術」などを販売しています。となると、販売者によって提供する方法などが若干なりとも異なってきて、それが強みになり得る場合があります。また、技術提供の場合は地域性も重要になる場合があります(レッスン、施術系など)。その場合は、近隣にその資格を持っている人がいなければ、それだけで珍しがられるでしょう。
こんまりさんの「ときめき片付け」のように、需要はあるけれど提供できる人は彼女しかいない。ということでは、まだ待っている多くの人に届けられないかもしれませんので、その資格をとれば、多くのお客さんに購入してもらえるかもしれない!となります。
ただし、結局は需要と共有のバランスですので、共有(提供する側)が需要(欲しいと思う側)より多ければ、売れなくなってしまいます。あなたがやっているビジネスはどうでしょうか?
また、協会ビジネスの悩ましい点として、「資格を取ったは良いけど、どうやって集客して良いのかわからない」という人がたくさんいます。資格を取る人は、「自分が良いと思ったから、もっと多くの人に広めたい!」という純粋な気持ちで取るようですが、現実問題、見込み顧客の気持ちはそれほどあったまっておらず、途方に暮れている人が多いイメージです。
こちらも「中抜き」といえばそうなのですが、肝心な小売店、つまり資格を取った人の販売スキルがないために、ビジネスモデル的に危うい感じになっています。(結局サービスが売れないので協会に資金が回ってこない、資格を取った人もライセンスを維持するのに精一杯で儲からない、場合によっては不満がつのる)
結局どうすれば良いんだ問題
ということでまとめますね。これからの時代は、事業者が直接、インターネットを介して購入者にアプローチできます。となると、ネットワークビジネスのような「中抜き」ビジネスが厳しくなってきます。これは私個人の考えですが、ネットワークビジネスの新規参入にはあまり旨味がないと言ってよいでしょう。
また、協会ビジネスも資格を取る前に需要と共有のバランスをちゃんとリサーチする必要がありますし、欲を言えば、資格を取るのではなく自分で商品開発ができるのならやった方が良さそうです。
また、もしあなたが協会的なものを立ち上げようとしているのなら、「胴元だけが儲かればOK」というようなビジネスモデルにしないよう、資格を取った人のケアも考えてあげるようにすると良いでしょう。
最後に思ったことは、私の謎かけが微妙だったなということです(笑)。お後がよろしいようで…。