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2020.08.06

コンサルタントの劣化コピー

こんにちは。佐藤友子です。「コンサルタントになりたい」または「コンサルタントになるようコンサルする」ということがよくあるようですが、コンサル業を行うことのデメリットを知っていますか?

 

コンサル業は利益率が悪い

弊社Life&Workパートナーズ株式会社はコンサルティング業務を行っていますが、実は私はコンサルタントになりたい!と思ったことは一度もありません。むしろやりたくありません(笑)。

 

理由はいくつかあります。

(1)上から指導するのが性に合わない

コンサルタントとは、助言や指導を行う人を指すようですが、私はどちらかというとファシリテーターのほうが性に合っています。あくまでも、事業主を主軸にビジネスを構築していくべきだと考えるからですね。コンサルタントというと、指導する側・される側と分かれているようで、あまりしっくりきていないのです。

私の立場としては、あくまでも依頼者(事業主)が本来もっているものを最大限に引き出し、行きたい方向にいくためのアシストをする。というところだからです。

 

(2)利益率が悪い

わかっていない人が多いのですが、コンサルタントという職業は利益率が悪いです。意味、わかりますか?理由は、労働集約型の仕事だからです。

利益率がよいように見えるのは、粗利益や単価が高く設定できるからでしょう。また、時間や場所にとらわれなくてもよいことが多いため(場合によっては現場に出向く必要がありますが)、なんとなく自由で時間があるように見えるから、なんだか余裕があるそうに見えるのかもしれません。けれど実際は、かなり労働集約型の仕事ですし、俗人的な内容も多いですよ。ある程度の仕組みは化できますが。

ですから、「こんなに大変だと思わなかった!」とやめてしまう人が多いのです。

 

 

劣化コピーを生み出すコンサル

ただし、「集客しやすさ」でいうとコンサルティング業はすぐれています。どういうことかというと、コンサルティングというのが、問題解決の提案を行う商品だからです。

 

すでになにかに困っている人のために解決策を提供するのがコンサルティングなので、提案しやすいし買ってもらいやすいんですよ。事業であればだいたい最初は売り上げに困ります(仕組み化したい!とか言っていても、よく事実を聞いてみると、だいたい売り上げに困っていたりします。)。売り上げをあげて、さらに安定させることの難易度が高いからですね。そこで「売り上げUPコンサル」「集客コンサル」「リピート率UPコンサル」のように言えば、その方法を知りたい人はたくさんいるわけです。

 

ジャンルや職種で分ける方法もありますね。「美容系専門」「サロン専門」「教室専門」「コーチ・コンサル専門」などなど。

 

ですから、コンサルタントの中には、コンサル業をすることを勧めるコンサルタントもいたりします。たとえば、20年間リラクゼーションサロン経営をしていた人が、なかなか集客ができずに困っていたとしましょうか。そういう人に対して「サロンのコンサルをやりましょう」と提案するのです。自分のところの集客もままならないのに。ですよ(笑)?まぁ、実務より指導のほうが向いている人もいるので(スポーツの監督とか)、それが資質であればよいのですが。

 

しかし、たんに収益化のしやすさでコンサル業を勧めるコンサルタントもいます。相手の資質をみきわめる力量がないため、収益化のしやすさだけで判断するのです。コンサルタントの実績にもなりやすいという、自分勝手な理由も時々あるようです。そうなると相手不在ですから、結局は自分の劣化コピーをたくさんつくっているだけ。ということにもなりかねないですよね(苦笑)。誰得なんですかね?

 

コンサルには、向き不向きがある

私も「コンサルタントになりたい」という相談を受けることはありますが、本人に向いてなさそうであれば、勧めていません。向き不向きがあるからです。

 

コンサルタントは資質として、相手のビジネスや人生をよりよくしたい!という主体的な気持ちがないようであれば難しいです。なぜなら、個人やその会社の個性、資質に合わせた方法を提案しないと、コンサルティングが成功しないからです。「コンサルテンプレート」では通用しませんよ?あのねぇ、当てはめるだけでうまくいくのなら、誰でもうまくいってますよ(笑)。そんな素人でも普通に考えてわかるようなことも気づけないのにやるなんて危ないよ!とツッコミたいです。

 

結局お題目をとなえていたり、一方的に提案するだけでうまくいくわけがないのです。そう考えると、集客しやすさではコンサルティングはすぐれていますが、結果を提供できるかどうか?という点は結局のところ難しく、劣化コピーコンサルはのきなみ潰れていくということになりますよね。

 

ですから、コンサルティング導入を検討している方は、「このコンサルタントの提案は、最終的に誰のためになっているのか?」ということをよく考えてから、導入を決定してほしいです。自分や自社のためにならない、利益にはなるだろうけれど、長く続けていくのは苦しそうだ。想像がつかない。そのようなイメージを感じるようであれば、またはシミュレーションして不可能であれば、やめておくとよいでしょう。

 

ちなみに、私がコンサルティングを別にしたくもないのにずっと続けているのは、たんに相手の夢や目標を叶えていくことを応援したいからです。それを実現する手段がたまたまコンサルティングだっただけで、他の仕事で充当できれば、他のことをやっていたかもしれません。

 

夢や目標を叶えるだけではなく、ちゃんと利益も出してほしい。むしろ、利益もある程度ついてくることで、本当にやりたいことを叶えることができる。ゆえに利益は出すべきである!という自社の信条があるので、コンサルティングをしている。というわけですね。ぜひ、コンサルタント以外に私の新たな肩書きがあれば、教えてほしいと思います(笑)。

 

くれぐれも、劣化コピーコンサルタントにはご注意を。または、コンサルティング業をしている方がいたら、こういう劣化コピー量産方法はやめておくことを推奨します。世の中やお客さんのためにならないのはもちろん、すぐに苦情が来ますし、劣化コピーだと判断されたら経営生命も短命となるからです。一発屋になりたいのなら、止めませんが。

 

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