シンプルにバカ
こんにちは。佐藤友子です。よく「シンプルに考えよう」といったりしますが、シンプルに考えると失敗することがあります。
勝手にシンプルにするな
結論からいうと、複雑な物事は複雑なまま理解できた方がよいです。しかし、要点はつかむべき。以上。
これでわかったという人は、以下は読まなくてもよいです(笑)。よくわからないという人は続きをどうぞ。
私たちは、自分の頭の中で問題が処理できなくなった時に、以下の対策をとりがちです。
①できるところからやろう!
②シンプルに整理しよう!
オブラートに包まずに言いましょう。どちらも対策がヘッタクソですね!物事は勝手にシンプルにすべきではありません。
太るダイエット
具体例を1つあげましょう。たとえばあなたの事業で、売り上げが伸び悩んでいるとします。じぶんで考えても、いったい何が原因なのかわからない…。
そこで①できることをやろう!とします。そして難易度が低く、かつ自分がやりたいことからやり始めます。よくあるのは「情報発信をする!」とかです。しかし、根本解決にならないのであれば、情報発信をすること自体に意味がないですよね?むしろ時間の無駄。
では、こんがらがってきたので②シンプルにしよう!とすると何が起こるのかというと、勝手に状況を整理します。そして「売り上げが上がっていない→今できることをやろう!→情報発信だ!」のように、結局①と同じことになる場合も多いのです。
痩せられない万年ダイエッターと同じで、
- 揚げ物を食べてしまうから太る
- 太るのは揚げ物のせいだ
- 油のカロリーが高いんだ
- 衣をはがして食べよう!
というような、いわゆる「付け焼き刃」になっているのです。
これは笑い事ではなくて、実際にあなたの身にもおきています。わかりますか?対策とは「できそうなこと」をやるのではありません。「やるべきこと」をやることです。
センターピンを探せ!
問題解決をするときの考え方として「センターピン理論」を知っていますか?グッドウィルグループ(現テクノプロ・ホールディングス)の前会長、折口雅博さんが提唱していた考え方です。
ボウリングをするとき、ストライクを取るためには真ん中にあるピン、つまりセンターピンを外してはいけません。つまり、問題解決をボウリングのように考えると、今抱えている問題のセンターピンはなんだ?と考えることが重要なのです。
折口さんは様々な業種・業態で事業を成功させてきましたが、それは「センターピン」を外さなかったからといえましょう。
わかりますか?「シンプルにしよう」という考え方は複雑さから逃げています。そうではなく、物事は複雑であることに変わりはないのです。それを勝手に簡略化するから、よけいに複雑になるのです。
そう考えると、ダイエットの例で考えれば、揚げ物の衣をはがすことは本当に愚策に思えますよね(笑)。ビジネス上の問題解決でも同じことをしていませんか?
物事は闇雲にシンプルにしてはいけません。逆に迷宮入りしてしまいます。しかしながら「センターピン」を見つけるのはとても難しいです(多くの人が複雑さを避けるからです)。残念ながらこの記事を読んだだけでは「センターピン」を見つけれるようにはならないため、上手い人に聞くか、トレーニングが必要となるでしょう。