「非日常」の正しい用法・用量
こんにちは。佐藤友子です。あなたは「非日常」を体験したことはありますか?
目次
「非日常」の正しい用法・用量
引き寄せ系とかで「欲しいものを強くイメージして」みたいなものがありますよね。あとは「非日常を日常にする!」とか。今手にしていないけれど欲しいものを手に入れる、いわゆる引き寄せの法則は科学的に否定されていることが多いものの、使いようがあることはあります。
NG例を含めみていきましょう。
失敗1:理想の外見をイメージ
2011年にニューヨーク大学で発表された論文の中で行われた実験です。女性の被験者に「ハイヒールをかっこよく履きこなした自分」をイメージしてもらうと、気分は良くなったもののやる気が下がったそうです。
失敗2:有能な自分をイメージ
これも同論文の実験ですが、優秀なエッセイを書いて賞金をもらった自分をイメージした結果、同じくやる気が下がったそうです。しかも、成功したところをイメージしなかった人よりも実際のエッセイの完成度が低かったそうです。
失敗3:理想の未来をイメージ
次に、理想の未来を自由にイメージしてもらう実験です。理想の未来(実験では週末)を紙に書いて、気分や達成感を言ってもらいました。これこそまさに引き寄せの法則っぽいですよね?
- 想像し
- 紙に書きだし
- 宣言する
結果は…同じようにやる気がなくなってしまったそうです。
このようになぜか理想、つまり今日常にない「非日常」をイメージするとやる気が下がってしかも理想から遠のくという結果が出ています。他の実験で「欲しいものをイメージすればするほど、やる気が落ちる」という結果が出ていました。これは悲惨…
引き寄せの法則的には、「理想を強くイメージする。どのように叶うかは問わない」というのが鉄則のようですが、それゆえに引き寄せられない!という皮肉な結果となっています。
じゃあどうすれば良いんだよ!
そうは言っても、「理想がなければ叶えようがないじゃない!」と思いますよね。ごもっともです。ということは、イメージするだけではダメ。ということになります。
2014年にペンシルバニア大学の論文では「イメージしにくい目標」と「イメージしやすい目標」では、「イメージしやすい目標」のほうが達成率が高かったという結果が出ています。
つまり、引き寄せのように想像してワクワクするだけではなく「具体的にどのように実現するのか?」ということがわかりやすい目標にすると良いです。はい、現実に引き戻されますね(笑)。
とはいえ、理想や目標というものは、今の自分からすると「非日常」であるからこそ魅力的だし、だからこそどのように叶えるかよくわからないという矛盾もあるでしょう。
結論:非日常をひとさじ
私のおすすめは、日常に少しずつ非日常を取り入れることです。「取り入れる」というのがミソでして、想像するだけではダメです。
結局のところ理想を現実にするためには、具体的ななんらかの手順が必要です。けれど方法がよくわからないから実現に至っていないわけですよね。
ということは、理想をすでに実現した人が具体的に何をどうしたのか?どのような行動基準ですごしているからそうなったのか?を自分も吸収すると良いです。
たとえば万年ダイエットに失敗している人は、「今度こそ痩せよう!」と思って痩せている自分をイメージしても「今回もどうせ無理」と3日坊主になってしまう。ダイエットに成功する人と自分との具体的な違いが見つけられてないのです。
弊社が行っている事業サポートにしてもそうで、相談に来られる方にしてみれば「事業の成功」はある意味「非日常」なわけです。だから最初は「自分にできるだろうか…」と心配になる方もおられます。まぁ上記の論文の結果を踏まえると当然といえましょう。
けれど、そのままではずっと「事業の成功」は「非日常」のままです。うまくいくイメージをしていても、どんどんやる気が下がり、結果が出ないので焦っていくでしょう。「自分でやれることをやる!」も結局は闇雲なのでダメ。
ですから弊社の場合は、がんばって事業をうまく行かせた人、またはうまくいきつつある人と交流が持てたり、もちろん私たち運営からも具体的なノウハウの提供とアドバイスを行っています。そうすることによって最初は不安だけど「ああ、こういうふうにすればうまくいくのか」と最初は理由がわかり、ついで結果が出るようになるので体感できます。
「非日常」をイメージで手に入れようとせず、ちょっとずつ「日常」に溶け込ませていくことで、無理なく「非日常」が「日常」になっていくというわけです。
くれぐれも、やる気やモチベーションを上げるだけの「引き寄せもどき」にはご注意を。