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2021.08.16

謙虚なふりして強欲

こんにちは。佐藤友子です。「真面目で熱心な人」に案外ありがちなある失敗があります。この失敗のせいでうまくいっていない人がいるのですが、あなたはこの罠にはまっていませんか?

 

「真面目」な人は損するのか?得するのか?

弊社の業務の一つにマーケティングや経営、いわゆるビジネス系のマーケティングアドバイスがあるのですが、真面目なんだけど結果にうまくつながっていないケースは案外多いです。普通に考えて、真面目にやっていたらうまくいきそうじゃないですか?でもうまくいかない…。

 

「私は真面目にやってるのにうまくいかない!!なんで!?」その理由を構造からお話ししましょう。

 

世間一般の「真面目」のイメージって、

  • 謙虚
  • コツコツ取り組む
  • 決まりなどをきっちり守る

などでしょうか。ゆえに不真面目な人よりも結果が出やすいのでは?という趣もありますよね。もっと嫌味な言い方をあえてすると「真面目にやってるのに結果が出ないのは不公平だ!」と思っているからいつまで経っても鳴かず飛ばずであるという見方もできます。自分にもある意味原因があると思っていない、正確にいうと「思いたくない」ということです。

 

真面目の弊害とは?

「我こそは真面目だ!」と思う人に是非読んでいただきたいのですが(笑)、いわゆる真面目を貫いていると弊害が起こることがあります。しかし、「不真面目になれ」ということでもありません。

 

それでは弊害を一つずつ伝えていきますね。

(弊害1)決められた「型」がないと不安

そもそも論としてビジネスには「絶対こうやったら成功する!」という型、つまり手順書のようなものは存在しません。大事なのでもう一度言いますが、手順書は存在しません。

 

もし「このマニュアル通りにやれば誰でもうまくいきます!」のようなノウハウがあれば、それは限りなく嘘に近いはず。本当に誰でもできることであればそこらじゅうにじゅうに溢れていることになるので、相対的に価値が下がります。したがって細かく何をどうやるレベルで記されている手順書のようなものは存在し得ません。

 

真面目な人はその真面目さゆえ、決まりや型を遵守しようと努めます。「守ろう」というスローガンではなく「遵守」レベル。型がないのに型を探そうとし、型が見つかるまで動けないと思い込んでいるから結果が出ないのです。

 

ではなぜこのように思い込んでしまうのかというと、真面目族(笑)が持っているある前提が影響しています。その影響が次の「弊害2」です。

 

(弊害2)真面目は正義という信念

一般的な話として述べて恐縮ですが、真面目な人は案外自分を変えたがらない傾向にあります。たとえば真面目な人の特徴である勤勉性やコツコツものごとに取り組む性格特性は、性格のBig5という心理学分野の性格分析によると「誠実性」にあたります。

 

誠実性が高い人は上記のような「真面目」を象徴するような特徴がある反面、逆にアドリブが効かない、行動力が低いという特徴も。今うまくいっていない場合は何かを変える必要があるのに変えることができないと、たとえば「型がどこかにあるはずだ!」「型さえあれば私はうまくやれるのに!」のように意固地になってしまいます。

 

誠実性はうまく使えれば非常に有効なのですが、使えないと「うまくいっていない現状を意地でも維持!!」(韻踏んじゃった…)と、逆の方向に突き進みがちです。だからうまく結果が出ないんですよ。真面目は正義!というセルフイメージを心の底で持っていて、変えるのを頑なに拒むんためです。

 

そして、「弊害1」「弊害2」をふまえた一番論理的に意味不明なことが「弊害3」です。

 

(弊害3)謙虚なふりして強欲

このブログのタイトルにしましたが、自称真面目な人はハタから見ると謙虚に見えます。謙虚という言葉の意味は、辞書的には「すなおに相手の意見などを受け入れること、他に学ぶ気持ちがあること」です。知ってました?控えめでつつましいということだけを意味しないんですよ。

 

コンサルティングをする際にまずはヒアリングから始めるのですが、このような相談をする人は多いです。

「売り上げは上げたいんです。けれど、多くの人には知られたくないんです。やりがいも収入もどちらも充分にほしいんです。けれど、〇〇や〇〇は生理的に無理なのでやりたくありません。私には時間がないんです。けれど短期間で大きな成果が欲しいんです。etcetc…。やる気だけはあるんです!真面目に取り組みます!」

えっと…欲深すぎません?(笑)

 

もう少し身近な例で例えると、「毎日ケーキも唐揚げも食べたいんです!毎食白米1合はマスト!だって好きだから!好きなものは諦めたくないんです!私らしくないんで!でも1ヶ月で10キロ痩せたいです!頑張りますから!」みたいな暴力的な理不尽さがあります。

 

たしかに、痩せたいから唐揚げやケーキなどをすべて我慢しなくてはいけないわけではありません。しかし好き勝手やっていたら痩せないでしょうし、最初はある程度食事制限をしたほうが痩せやすいはずです。

 

いわんやビジネスをや。でして、真面目だけど謙虚ではないタイプの人は、「他人の意見を受け入れる」ことができていないということです。ここが1番の問題点であると言えます。

 

とくに初心者なら難易度が低いことをやるべきでしょうが、唐揚げをモリモリ食いながら1ヶ月で10キロ痩せるという最高H難度になぜか挑戦していることに、本人が気づいていないという状況といえましょう。

 

今の現状を見て、実現可能な目標を少しずつ達成する必要があるというのは至極当たり前のように聞こえるのですが、「真面目族の罠」にハマってしまっている人は自分にもアドバイスをする側にも無理ゲーを強いているというわけですね。

 

このように、(弊害1)決められた型がないと不安であり、(弊害2)真面目は正義だというセルフイメージがあるために自分を変えられず、(弊害3)謙虚のふりしてめちゃくちゃ強欲、つまり適切な目標設定ができていないために、「真面目であるがゆえに結果が出ていない」と言えるでしょう。

 

「真面目族」の突破口は…?

じゃあ突破口はあるのかよ!ということが気になったと思いますが、ちゃんとありますのでご安心ください(笑)。私ももともとは、真面目族の一員でしたので(今もそういう趣は少しありますが。笑)、真面目であるがゆえにうまくいっていない時期がありました。しかも、ビジネスではなく、人生のあらゆる局面でです…。

 

その状況を打開する方法は、シンプルに説明すると「謙虚もどき」をやめることです。卒業してください。そうすることによって、真面目な人は真面目の悪い面をうまく使いこなすことができ、本来のポテンシャルを発揮することができるのです。

 

具体的な方法は講座や教材などで伝えていますのでここでは割愛しますが、私たちはこれからも、いろんなバックグラウンドや性格特性の人がうまくいくようなものを提供していきたいと強く思います。とくに今日述べたようなご相談が来た場合なんかは、なおさらその気持ちが強くなりますね。

 

だって「頑張っているのに空回りし続ける」って辛いでしょう?現状はどうあれ、「変わりたい」「よくなりたい」と思う純粋な気持ちを、私たちは応援したいので、気になったらぜひ私たちの会社のドアをノックしてみてほしいなと思います。あ、ドアをノックは比喩ですよ。ふだんオフィスは無人ですので(笑)。

 

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