人間は幸せになるようにプログラミングされていない(後編)
こんにちは。佐藤友子です。人間は幸せになるようにプログラミングされていない(前編)の続きです。
幸せと成功を結びつけると不幸になる?
ほとんどの人は無意識に幸せと成功を結びつけています。
たとえば、
「成功したい!でも自分を押し殺してまでやりたくない」
みたいなことを言い出します。ビジネスの文脈でいうならば、売り上げをあげることを一つの成功と定義することにします。前回の記事で伝えたとおりノウハウ自体は難しくありませんが、それに取り組む過程で幸せも一緒に充足させようとするので不幸になる人がいるのです。
伝わってますか?
たとえば販売促進のためにはなんらかの営業が必要ですし、セールスのスキルを磨かねばなりません。商品作成の過程で、お客さんのことを一番に考えるならば、時には自分のこだわりを捨てる必要もあるでしょう。
そうなった時に
- 自分らしくないから嫌だ
- 心理的に抵抗があるからやりたくない
- こだわりを捨てるのはプロがやることじゃない
- 金のために魂まで売りたくない
などと考え出し、やれば売り上げが上がるカンタンなことを拒否します。つまり、成功に向かう過程で、同時に幸せも充足したいという欲求があることがわかりますよね。やれば売上が上がることは分かっているけど、自分が幸せじゃなくなるからやりたくないのです。
では、この欲求はワガママなのでしょうか?そんなのは捨てて、とにかく売り上げを追い求めてやるべきなのでしょうか?それもひとつの答えでしょう。
成功と幸せは両立する。ただし…
そもそも人間は、内発的モチベーションといって、自分の内側から自発的に湧いてくる「やる気」がないと行動を持続させられません。
- 売り上げが上がるからやれ
- 集客できるからやれ
- 稼ぐためにはやりたくないこともやれ
というのは外発的モチベーションで、外からの刺激です。たとえば売上なり集客なりに内発的なモチベーションが結びついている人は、すんなり行動できます。いっぽうそうでない場合、「やらされている感」を強く感じて辛くなるというわけです。
つまり、内発的なモチベーションと結果が結びついた時に幸せを感じやすいということです。ですから、自分にとっての幸せとは何か?自然とわき出るモチベーションは何か?ということをまず先に見つけるべきと言えましょう。
人間は幸せになるためにプログラミングされていない
ここでタイトルを回収します。そもそも人間を生き物として考えた時、幸せになるためには設計されていません。あくまで種を存続させるために設計されています。人間を設計している遺伝子がそういうデザインになっているという事実が、人間の人生をややこしくしている気がする私です。
意味、わかりますか?
人間以外の動物を見ているとわかると思いますが、まさに弱肉強食でよわい個体は淘汰されていきます。それが何万年、何億年の年月をかけ、進化という名の遺伝子の変化を経て今に至るわけです。
人間だって同じです。知能があるので他の生き物よりは「幸せ」や「意味」を感じやすいですが、遺伝子の立場で考えると、進化戦略上知能が発達したほうが有利だったからと言えましょう。
詳しい話は難しくなるし長くなるので省略しますが、つまりは、「人間は誰しも幸せになるために生まれてきたし生きている」と思ってしまうと、「素晴らしい幸せが、私にあった幸せが、どこかにあるはずだ!」と探し求めてしまいますが、残念ながらそんなものはないということです。
幸せに過度な期待を求めるゆえに幸せから遠ざかるという、かなりこじれた姿で発見されることになるという…。
ないものを追い求めるので、幸せと成功が100%の確率で両立しないことにフラストレーションを感じてしまいます。「私らしい幸せの形さえ見つかればうまくいくのに」「私にぴったりあったものさえあれば!」と、「自分らしさ」に過度な期待をしてしまうのです。多くの人が「自分らしく」「自然体で」生きていきたいと望みますが、人間は種の存続をもとにプログラミングされているので、残念ながら自分らしくいるだけでは種の存続に貢献するだけで幸せにまでは届かないということですね。
この限界を見つけてブッダが「悟り」という境地に至ったのも理解できます。私は成功している!私は幸せ!と声高らかに主張している人が溢れるSNSをみて疲れてしまうのも納得ではないでしょうか(苦笑)。
ただし、幸せと成功を両立させることはできます。説明しようと思えばできるのですが、実践してみないと腑に落ちないよねっていうことで、2022年はその道をみなさんが見つけれるようアシストしていきたいなと考えています。
人間が生きていくには「幸せ」というのはかなり重要な要素ですし、そのためには同時に「成功」も必要と言えます。このふたつを拮抗させずに満たす方法はありますので、今後の企画等、いろいろ楽しみにしていてくださいね。