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2024.10.18

賞味期限切れのブランディング

こんにちは。佐藤友子です。長期的に成功するビジネスをつくりたいならブランディングをしていく必要があります。あなたはブランディング、してますか?

 

ブランディング=憧れではない

以前、他社のブランディング講座に通ったけど成果が出なかった、と落ち込んでいた方から相談を受けました。

 

そのブランディング講座の内容を聞くと、タクシーに乗った時などは必ず写真を撮ってSNSにUPするというのがノウハウの1つだったようで、「なんとなくこれでうまくいく気がしなくてやれなかった」と。

 

なんでタクシーに乗車した時の写真なの?と聞くと、タクシー移動はステータスだからだそうです。確かにバスや自転車よりも優雅な感じはするかもしれません(笑)。要は憧れられるからだと。私はこう答えました。「私ならあなたにそのアドバイスはしない。だってあなたの価値はそこではないですよね?笑」

 

ブランディングは憧れと勘違いされがちなのですが違います。端的に説明すると、この2つを高めることです。

  1. 価値
  2. 好意

 

オレンジ色にHのマーク、馬車のイラストといえば、多くの人はエルメスというブランドを思い出すのではないでしょうか。ではこのエルメスのロゴを見た時にどんな感情がわきますか?このわいてくる感情がブランディングで行われていることです。

 

エルメスの一般的なイメージといえば、熟練の職人により手作りされている、素材の品質が高い、大量生産できないので希少性が高い、高級…のような感じではないでしょうか。高級ブランドにさほど興味がない私ですらエルメスは認知していますし、Apple Watchを購入するときにベルトが一番美しかったという理由だけでエルメスのApple Watchを購入しました。私が所持しているエルメス製品はこれ1つだけです。エルメス製品と言えるかも怪しいですが(笑)。

 

いわゆる高級ブランドが高級というイメージがあるのは、価値を高める戦略をとっているからです。そして価値が高いだけではブランドは継続しません。これが好きだ!という消費者の好意を集める必要がある。すごく雑な説明ですが、10人中10人がかっこいい!と言うようなイケメン俳優でも自分の好みでなければファンにはならない、みたいな感じ(伝わるのかなこの説明)。

 

とあるブランドが自分の中で価値が高く、さらに好きであれば長期にわたって愛用するでしょうし、他の商品も購入したくなりますよね。そして愛用者が増えればブランディングがさらに強化されていく。ですから、ブランディングのために憧れを強化させるのは少し的外れというか、必要条件とは言い難い。

賞味期限切れのブランディングをして焦る人々

ブランディングを語るには、長期的な目線が欠かせません。エルメスのように、経年劣化せずに経年強化されていくのが理想的なブランディングでしょうから。

 

手っ取り早いブランディングをするなら、自分の中で顧客が価値を感じそうな部分を出していけば良い。ですが、経年劣化していく部分を価値にすると地獄です。

 

その1つがビジュアルを推していくこと。ふた昔くらい前に「美人すぎる〇〇」みたいなのが流行りました。オブラートに包むことを完全放棄して言うと、美人すぎる〇〇は賞味期限が短すぎますよね。業界にもよりますが、一生使える価値ではない(笑)。そもそも美人=価値とするのが私はあんまり好きじゃないですが…これは個人の好みなのでさておき。

 

商品の本筋から離れた価値は興味を持ってもらう(認知拡大)のためには良いですが、ブランドにはなりにくい。ただ、好意にはつながります。長期的に顧客にどう思われるか?で判断すると良いです。

 

5年くらい前まで、女性起業家はよく起業女子と呼ばれていました。女子ってギリ大学生までちゃうんか?なんて思いつつ、20代の頃は私も女子会と称して友達と集まってましたけど(笑)。

 

この起業女子時代に、ビジュアルを推すのが流行ったんですよ。おしゃれな格好で自撮りをしてSNSやブログにUPしたり、それこそブランドものや高級ホテルの写真をたくさんUPしている人もいました。30代前半くらいまでの年齢であれば若さも価値になり得ますので、写真をあげるだけで反応が取れる(笑)。普通の容姿だとて、加工で盛れば芸能人のようになります。弊社のようなコンサル業界の人ですらこういったプロモーションをしていました。

 

私は長期的にマイナスになると思ったのでやりませんでした。若さは目減りするし、ビジネスサポートの本筋と関係ないので、強いブランディングになり得ないと判断したからです。仮に若さ、ビジュアルの美しさを価値にしてしまうと、ずっと加工や整形をし続けねばならず、それでも保てない時がやってきてしまいます。時限爆弾式の価値は、爆発したときに地獄だからです。

 

「佐藤さんは昔からずっと地味なのが良い」とお客さんに言っていただけるのも、昔からの積み上げがあったからこそで、エルメスみたいに経年強化されていくブランドをつくっていきたいとずっと思っています。

 

ブランディングについてはまだまだ語るべきことはたくさんありますが(好意についてはほとんど述べていない)、まずは以下3点を抽出した上で、長期的に何をやっていくべきかを判断してみてくださいね。

 

  1. 顧客が価値を感じてくれる自社の特徴は何か
  2. 経年劣化していくものは何か
  3. 経年強化されるものは何か

 

あ、言い忘れましたが、ビジュアルをよくすることが商品になっている場合は推してくださいね。ダイエットやファッションなど。また、若さ推しがダメなわけではなく、「若々しくある」が価値になる場合もあります。商品によって経年で劣化か強化が分かれるのでご注意ください。

 

 

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