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2017.08.03

「ウケる」と「響く」の間の大きな溝

こんばんは。マーケティングコンサルタントの佐藤友子です。時々間違われるのですが、私の名前は「さとうともこ」です。ゆうこではないですぞ。なんのこっちゃですよね。名前を間違われるとちょっと切ないので、ひっそり主張してみました。。笑

 

さて、今日の内容です。

 

「つながり」の時代になり、ソーシャル・メディアがマス・メディアに勝るとも劣らない影響力を持つと言われています。マーケティングの神様と言われているフィリップ・コトラー氏の「マーケティング3.0」に書いてありました。詳しく読んでみたいって方は書籍をどうぞ。ちょっと高いけれど、そんなに難しい本ではないのでぜひ読んでみてほしい。え〜っていう人は、P104だけでも読んでみてほしい。笑 いいことがまとめてあるので。

書いてあったから重要ってわけではなくて、コトラー氏はマーケティングを「作ってきた存在」と言っても過言ではない。そもそもマーケティングなんていう言葉が使われ始めたのは、資本主義経済になってからなのだが、PRや広告などのプロモーション手法が花形だった最盛期には『顧客の心情に訴えかけよう』というコトが主流だった。つまり商品をよく知らなくても、心情に訴えかける『コツ』がわかれば売れていたのだ。では今はどうか?

 

ソーシャル・メディアの時代になり、一人一人が自分を発信できる世の中になっている。ということは、個人的に好意を感じた人と『つながり』を持ち、その結果、その人がお勧めしてたら買うとか買わないとか、そういうことになってくる。となると、『心情に訴えかけてる風』では効果がなくなってきているのである。SNSをビジネスユースしている人や、メディアのPRを活用しているという人は、ぜひ読んでほしい。

 

 

顧客はあなたとつながりたがっているか?

 

モノ、つまり『商品』も大事だが、あなた、つまり『人物』も商品選定において重要視されている。あなたという人物が取り扱っている商品を通じ、どんな経験が得れるのか?感動が得れるのか?変化できるストーリーがあるのか?人はそれにお金を払うのである。考えてみれば、私が看護師をしていた病院でもそうだった。

 

家が近いから、友人に勧められたから。そういうものももちろんいいが、患者が求めているコトは『ちゃんと治療してもらえるか』『スタッフは親身に接してくれるか』この2点に尽きる。大学病院が安心とかそういうのも、ちゃんと治療してもらえそうというイメージに紐づく。実際に入院してみて、スタッフの対応がよければ、親身になってくれれば、家が遠かろうがずっと通い続けてくれる。つまり、『商品力』そして『人間力』の2つが判断基準であると言える。病院だってそうなのだ。(便宜上商品力と定義させてください)

 

ITが発達し、スマホなどのガジェットが人々の生活に根付いてはいるが、『つながり』はよりアナログに回帰している。と言ってもいいのではないかと私は思う。ここで大事なのは、顧客は『あなた』と一人の人として『繋がりたがっているか?』ということである。

 

主治医がキライだと入院生活が苦痛

 

私は病棟の看護師を10年以上していたが、患者が入院生活を苦痛と感じる時がある。それは主治医を信じられなくなった時やキライな時である。先に断っておくが、私が接してきたドクターはいい人ばかりだ。患者思いで一生懸命な医師ばかりでいつも頭がさがる想いだった。だが時々、ちょっとした意思疎通の食い違いや勘違い、治療方針の違いなどで、患者が主治医のコトをキライになるケースがある。そうするとどうなるか?入院生活や治療が嫌になるのである。そんな時も私たち看護師の出番だったりもするのだが。。。

 

隣のベッドの患者の主治医や院長のコトがキライでも自分の治療には関係ない。だが自分の主治医のコトがキライだと、入院生活が苦痛になるのだ。もっと因数分解してみてみよう。主治医がキライだとなぜ問題か?それは相手のコトを信じられないからである。自分の命に関わる問題を委ねたくないのだ。それが怖いからだ。病院に例えると生死がかかっているので究極なのだが、あなたの商品でも同じコトが起きている。上の文章を置き換えてみよう。『あなたのことを信じられないから、顧客は自分自身の〇〇に関する問題を委ねたくない』のだ。〇〇はダイエットでも食品でもなんでもいい。あなたの商品で置き換えてみてほしい。

 

『ウケ』を狙っても『響か』ない

 

となってくると、より『リアル』であるかというコトが求められる。「いい人そうな医師」よりも「親身になってくれる医師」の方が主治医として頼れるように、顧客を一かたまりとして「この発信がウケるだろう」というスタンスでやっていては、顧客にすぐに見破られるのである。なぜなら顧客の心に『響かないから』だ。では考え方を変えればカンタンで、あなたは顧客の心に『響く』モノやコト、つまり商品を提供できているか?と考えればいい。そしてどんな心積もりで顧客に接しているか?と考えればいい。

 

あなたが普段目にする発信は、『ウケ狙い』ではないだろうか?そしてあなた自身が発する情報も『ウケ狙い』になってはいないだろうか?そこから脱して初めて、『顧客に響く』ようになり、売れるという現象ができる。よく、「価値のある情報ってどうやって発信したらいいですか?」って聞かれるコトがあるのだが、それは顧客の心に響くのはどんなコトであるか?と自分への質問を変えてみてほしい。きっと山ほど出てくるハズだ。

 

世の中には、いかにも心に『響いてそう』な発信もたくさんある。私は目にするたびに、『ホントかな〜?』って疑いたくなるコトも正直ある。感情を刺激しすぎている(みんなが泣いてるとか感動しまくっているとか)情報は、『ウケ』を狙っている場合が多い。眉唾だと思って見ておいた方が、経営者としては懸命であると、私は考えている。

 

そこの壁を乗り越えた情報発信が『伝わる化』して顧客に波及し、ソーシャル・メディアで広まっていくのである。いいねをすればいいってわけではない。コメントやタグ付けをすればいいってわけでもない。その行動が顧客に『響いているか?』それが何よりも大事なのである。あなたの情報発信は大丈夫だろうか?そして『ウケ』の情報に踊らされてはいないだろうか?情報発信がキチンとできていないというコトは、経営者として、そして今後のソーシャル・メディア時代において、命取りにもなりかねない。私はコンサルタントとして、そこを顧客にちゃんと伝えていきたい!と考える経営者や事業主の力に、なりたいと強く思っている。

 

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