有能なマーケッターの選びかた
こんにちは。佐藤友子です。「マーケティング」というのはよくきく言葉だと思います。かくいう弊社もマーケティングや経営のコンサルティングを提供しているわけですが、マーケッターとして優秀な人とは、どんな人なのでしょうか。
言い方を変えると、もしあなたがマーケティングのテコ入れをしよう!と思った際に、どのような会社や人材に依頼したら、望む効果が出るのでしょうか。自分をコンサルティングする視点でも使えますおで、よかったらどうぞ。
「マーケティングの視点で」って何?
例えばですが、よくこの色はクリックされやすいとか、ボタンの色は何色が良いとか、ここでは明朝体のフォントを使えとか…そういった「マーケティングノウハウ」を聞いたことがある方はいると思います。他にも、女性向け、男性向けといわれるいわゆるセグメント、人の目線の導線などなど。
こういうのを「マーケティングの視点で考えると…」などというマーケッターがいます。また、このような「お決まりのノウハウ」だけを探してしまう事業主や経営者もいます。確かに間違ってはいないですし、このようなベタなマーケティングもしないよりはましです。ただし、このような方法だけでは、大きく売り上げを伸ばしたり、お客さんとの関係性を深めてリピートしてもらうまでにはいきつきません。
察する・調べる・寄りそう
非常に泥臭く、またよく言えば人間らしい方法だと思うかもしれませんが、優秀なマーケッターは「相手の気持ち」がよくわかっています。正確にいうと、データを単なる数字と判断せず、そこから気持ちを理解しようと務めます。
手前味噌ですが、私もよくお客さんたちに「佐藤さんには、心を見透かされているようです…」とよく言われます。これは、私が透視能力があるわけではなく(笑)、相手が言葉にはしなくても、具体的に何に悩み、フラストレーションを感じているのか?どんな状態になったら最高なのか?そういったことをある程度理解しているからです。
ある程度、と申しましたのは、やはり他人ですので、100%理解するのは不可能だからです。そんなことを言っている私も、過去には人の気持ちがわからず、大変苦労しました。病院で看護師として働いていたのですが、患者さんにまったく共感できなかったり、信用を失い、病室を出禁になった過去もありました(実話ですよ。笑)。
そんなある日、気づいたんですよ。「あ、私は自分で考えようとしているからわかんないんだな、相手に聞かない、観察しないから失敗するんだな。」と。まぁ当たり前のことですが、当時はできていなかったのです。
そこから先は元々負けず嫌いな性格でして(正確にいうと、自分で決めたことを達成しないと気が済まない)、だんだんと人の気持ちがわかるようになってきました。ここで思ったことは「ああ、全然教科書と違うな」ということです。教科書に嘘が書いてあるわけではないのですが、どうしても抽象的な表現になりやすく、「あとは現場で体験してくれ」って感じになっているからです。
マーケティングも同じで、例えば「緑のボタンは反応が良い」のは事実かもしれませんが、実際のところは、自社内でテストをして計測してみないとわかりません。視線の移動だって、ヒートマップ(視線の流れを観測するツール)を入れて、さらにアナリティクスなどで細かくテストしないと判断できません。
さらに言えば、どんなテストをするのか?を決めるには「良質な仮説」がなくてはいけません。それに看護師時代につちかった「察する・調べる・よりそう」という3つの視点が、大きく役に立っているのです。
「事実」にどれだけ寄りそえるか
言い方は悪いですが、「自称」マーケッターの方は、例えば色やフォントなどの正解を求め(色やフォントは大事ですが)、自分の頭で分析しようとします。そうではなくて、できる限り「事実」を見つけ出す。相手に寄り添った「仮説」を出してテストする。という視点が必要です。
弊社では今採用を積極的に行っていますが、例えばマーケティング職希望といっておきながら、めっちゃくちゃ見づらいポートフォリオを提出してきたりなど、相手(見る人)に配慮ができないと、採用する側としては不安になります。
こういう方は、いくら仕事が早くても、きれいなページを作れても、「結果を出すことはできないだろうな」と思います。なぜなら、肝心のお客さんの気持ちを理解しようという気がないので、仮説を間違うんですよ。理論でなんとかしようとしている。これが問題点です。結果、教科書通りのことしかできず、AIがやったほうがましだという結果になります。(まんま過去の私なので、このような状態がいかにダメかはよくわかりますよ…。)
仕事柄、他社のマーケティング担当の方とお話しすることがよくあるのですが、優秀なマーケッターは話を聞くのが、聞き出すのが非常にうまいですね。そして比例して結果も出します。彼らが作ってくれるクリエイティブ(画像など)は、「ああ、本当に弊社のお客さんに寄り添ってくれているな」と細部を見ても感じとれるのです。「とにかく売り上げを上げてやろう!」みたいな売り上げ至上主義では弊社はありませんので、その点も理解してくださっているので、長いお付き合いをしようと思えます。
こんなことをいっては元も子もないですが、「本当に相手の仕事や人生がよくなるか?」という視点で、相手を理解しようとつとめながらも、事実や数値を計測できる。それが有能なマーケッターではないかと、私は考えます。つまり、頭(Brain)も心(Heart)も備わっているということです。
ぜひ、マーケティングのテコ入れをしたいと思った際は、そのような人や会社を探してみてください。
・教科書通りの対応しかしない
・自社(自分)らしさを無視した提案をしてくる
・コミュニケーションが下手
このような人や会社は、長い目で見てあなたが不利益を被る場合がありますので、避けたほうが無難でしょう。あ、ご自身でマーケティングのテコ入れをしたい場合にも同様です。
最後に、サッカー選手の遠藤保仁さんの言葉を。「気持ちは熱く、プレーは冷静に」まさにこの通りですね。