一流の板前から学ぶ「素人向け」のススメ
こんばんは。マーケティングコンサルタントの佐藤友子です。実は昨日から、メルマガ限定の動画配信を始めました。実際に寄せられたリアルな質問に対し、Q&A式でお答えしていく方式です。ご興味がある方はぜひどうぞ〜(バックナンバーも読めます)
先日お花の生け込みの仕事で銀座で長年営業されている老舗?の小料理屋さんに伺いました。私は昼頃伺うのですが、板さんたちがすでに仕込みを始められておられ、出汁のいい香りと、包丁がまな板を叩くトントンという気持ちの良い音、そして板さんたちの威勢の良い声が店内に響き渡って活気があり、清々しい場所です。
板さんたちの何気ない会話で、一つ大切な気づきを得たのでシェアです。
板さんたちがこんな会話をしていました。
「こないだ日本の中でも相当古いっていう醤油蔵を見に行ったんすよ。」
「へぇー!どうだった?いいなー!」
「何種類も醤油を味見できるんですけど、一番人気のは、鰹や干しエビ、干し貝柱で何度も追いに追って(追い出汁って意味らしい)結構、、なんつーか、出汁がくどいんすよ。
一緒に行った友達は自分みたいな仕事してないんで、その醤油が一番美味い!って10本くらい買って行ったんすよ。自分はシンプルな醤油が一番うまいなと思ったんすけど、、フツーの人の感覚ってそーゆーもんなんすね。。」
「まぁーそうだよなー。プロ向けと一般向けって違うよな。」
私はこの会話を聞いていて、これってどんな業界でも同じだ!って思いました。勉強して経験をつんで業界に詳しくなると、「本当のこと」や「本当に良いこと」がわかってきます。そうすると、「プロ向け=良いもの」という等式が知らないうちに頭の中にできてしまう。
例えば医療業界だと、肩こりにマッサージはあまり意味がないとか。。(って理学療法士の先生がおっしゃってました。筋肉組織を痛めるから、肩を回したりストレッチして血行促進するのが一番良いそう)でもマッサージが良いって思っている人はいっぱいいるし、何より気持ち良いし(笑)、完全にだめっ!とも言い切れないなと思うんです。
医療もそうだし、華道だって、椿一輪をいけることは、実はすごーく難しいし、きまるとめっちゃ美しいんですけど、知らない人から見るとちょと地味だし。。。笑
醤油蔵の方もプロなので、きっとシンプルな醤油が一番おいしいし真髄だ!って思っていることと思います。でも一般の方に醤油の美味しさを知って欲しくて、「ウケの良い」味を試行錯誤しています。結果、板さんの友達は10本も購入されたようなので、、笑 醤油ファンが世の中に1名また増えました。
こうして、「伝える工夫」をこらす人や会社が、今後もっとたくさん選ばれていくし、愛されていくんだと思いました。「自分のこだわりの方法」ももちろん大事だけど、「受け入れられる柔軟性」もいつも忘れちゃいけないな。そう感じた経験でした。
板さん達!めっちゃありがとう!!って本人たちに言わせりゃなんのこっちゃ?だろうけど。笑
私も時々、話が難しくなってしまうことがあって反省しています。いつもわかりやすく伝わりやすく、気軽に取り入れると事業の未来が明るくなると期待が持てる。そんな伝え方をしていきたいと思います。そうすれば、お力になれる方はたくさんいるはずだから。