「お金はエネルギーだから先に出したらその分増えて返ってくる」という謎の勢力
こんにちは。佐藤友子です。お金の問題というのはどの世代にもありがちですが、「お金はエネルギー理論」というのを聞いたことはありますか?
先に出した=入ってくるならさあ!
素朴な疑問があります。先に出したぶん増えて返ってくる、つまり先にお金を使うとその分金持ちになるみたいな理屈だと思うのですが、ならば世の中に借金で破産する人がいるのはおかしくない?ってなりませんか。
または、頑張って勉強にお金かけてるのに貧乏な人だって存在しないはずです。ですから「お金はエネルギーだから先に出したらその分増えて返ってくる」は嘘of嘘ですよ。
これは言葉のトリックで、「〜だから」と言われるとさもそのように感じる構文を使っています。たとえば、「酵素だから太らない」「タンパク質だから筋肉がつく」みたいなイメージ。つまり因果関係のように感じてしまうということですね。
この構文では、〜だからの〜の部分に入る言葉のイメージが大事なんですよ。酵素は消化時に食べ物を分解したり、代謝に関わります。タンパク質は筋肉の元になるのは確かです。けれど酵素が豊富な果物は果糖が多いので食べ過ぎると太りますし、タンパク質をたくさん摂取しても運動しなければ筋肉はつきません。
では「お金はエネルギーだから」のエネルギーはどうでしょうか?
【結論】お金はエネルギーではなく貨幣です
そもそもエネルギーというものは実体がありません。たとえば熱エネルギーを電気エネルギーに変換したものが発電であり、それらをエアコンや照明などに使わなければ生活の役には立ちません。使い方によってどう変身するかが変わるだけであって、使えば使うほどあとから増えるものではありません(苦笑)。
物理的にはエネルギー保存の法則というのがあって、エネルギーは使う(変換される)前と後で総量が常に一定不変です。ですからこの法則に当てはめると、お金はつかった分あとは同じだけ返ってくることになり、増えやしません。タンス預金と同じでしょ?
単純に、エネルギーという言葉に活力とかパワーみたいなイメージがあるので、使い方によって得られる結果が大きく変わる性質のあるお金と似たものだと感じやすい気持ちはわかります。
お金はむしろ、エネルギーよりも使い方によって変身する性質を持っています。投資で増やしたり、スキルをつけるためにお金を払って、それ以上の収入にできることもあります。
私も購入した不動産の価格が上がり続けているので、今売っても数千万くらいは利益が出ますし。
お金はエネルギーではなく貨幣だという事実は小学生でも知っています。今どきの小学生のほうが私たち大人よりもよほど賢いんじゃないか…と思うことすらあります。
お金は使った分だけ後から増える。だから先にどんどん使え!という悪徳(に私には見えてしまうんだけど)セミナーみたいなのもあるけど、お金は貨幣なので、使い方によって化け方が異なる。だから増えるものに使おう!が正しいですね。
ただし、心が豊かになることにお金を使うのは豊かさが増えるのでよいと思います。しかしお金が増えるわけではないので、お金はバランスよくポートフォリオを組んで(笑)使ってくださいね。くれぐれも「〜だから構文」のトリックにはご注意を。