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2021.01.27

努力は報われるという間違い

こんにちは。佐藤友子です。個人的には努力は報われてほしいですが、残念ながら報われないことのほうが多いです。

 

「あなたは次も、きっとうまくいく!」と言ってほしい人々

私はどちらかというとリスク管理をするほうです。そうすると、「自分はポジティブにやってうまくいってます!」と反論してくる人がいたりします。

 

確かに、ポジティブに考えて成功するのであれば、越したことはありません。私もそうであることを願いたいです。ポジティブ派が言いたいことはだいたい、「自分はこの方法でうまくいった!だからこの方法を続けていけば大丈夫!」というような、一回だけの自分の成功体験が元になっていたりします。サンプルサイズ1じゃん。まぐれの場合あるじゃん。ということは、統計として乱暴では?と、冷静になれば気付きますよね?

 

普段は賢い人でもこのような間違いを犯すことがあるのはなぜでしょうか?実は「私はこれでうまくいったんです!」と主張してくる人たちは、「だったら、あなたは次もきっとうまくいきますよ!」と太鼓判を押してほしかったりします。

 

こういう場合、論理的に破綻していることが多いため、私は絶対に「あなたならうまくいきますよ!」は言いません。無責任ですから。

 

前提≒本当の理由

たとえば、こんなことがありました。とても努力している整体院の先生がいました。それに比例して結果も出ていたのですが、本人はその成功要因について「技術を高めているから」「感謝を忘れずに過ごしてきたから」「目の前で起こる出来事に、誠意を持って対応してきたから」と分析していました。

 

私はこれを聞いて、ああ、この人はなんて運がよいのだろう。ずっとこのまぐれが続くといいですが…。という感想を持ちました。

 

顧客のアンケートを読むと、いわゆる初回に足を運んだ理由的なものが、「家から近いから」「たまたま先生と知り合ったから」「広告でみたから」などの理由でした。

 

つまり、成功要因をまとめるとこうです

・立地

・見込み顧客との直接的接触

・見込み顧客へのサービスの露出

事実としては、マーケティングがうまくいっているということですよね。

 

では、以下はいったいなんなのでしょうか?

・技術を高めているから

・感謝を忘れずに過ごしてきたから

・目の前で起こる出来事に、誠意を持って対応してきたから

 

答えは、単なる心構えです。技術に関しては、なんというか当たり前のことなので、特に言及すべき点ではないでしょう。その他の2つはかなり抽象的なキーワードで、具体的に再現しようとしても難しいですよね?2ちゃんねるの創始者のひろゆきさんがよく「それ、あなたの感想ですよね?」とおっしゃいますが、まさにそれ(笑)。

 

だから「努力は裏切る」ことになるんですよ。実際に成果を出す前提条件となるものは、具体的な行動や事実です。この点を抽出できずに「努力は裏切らない!」と豪語している人は、周囲から見るとまるでピエロ。

 

崖から落ちそうな人に「自分を信じて進め!」と言えますか?

私はこういう人に対しては、はっきりと現状を伝えるようにしています。それが本当の優しさだと信じているからです。たとえば、崖から落ちそうになっている人に対して、「自分を信じて突き進め!あなたなら大丈夫!」と言えますか?私ならNOです。

 

本人が崖から落ちたいのなら別ですが…。そんな人は少ないと思います。けれど人間って、自分が一生懸命がんばってきたことだからこのまま突き進みたい!と思ってしまうのが本音でしょう。しかしハタからみて、あぶない!と思ったら、止めますよね?そんなわけで、私は時々「佐藤さんって嫌なやつだな、なんでそんなに怖いことを言うんだろう。意地悪するんだろう」と思われることはありますが、別に自分が嫌われるくらいはどってことないです。

 

逆に、あなたの周りには、厳しいことを言ってくれる人はいますか?いないのなら、もしかしたらピエロとして踊らされている可能性があります。本当は努力が報われる世界がよいと私も願いますが、「正しい努力をした時のみ」に報われる。というのが正確な理解と言えますよね。そしてそれは、自分だけではわからないことのほうが多いのです。

 

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