私は、30万円で人生を買いました。
こんにちは。佐藤友子です。コロナのことがあり、仕事や人生を見なおす人が多いようですね。そうでなくても人生100年時代といわれ、「自分はどう生きていくべきか?」と考えざるを得ない状況にあるようです。
今後の働き方という視点で、ちょっと考えてみようと思います。
目次
「人生100年時代」の真意とは?
まさに「ものは言いよう」とでも言いましょうか。「人生100年」には、2つの意味が込められていると簡単に推測できます。
(1)健康寿命の延長
1つ目は、単純に医療技術の発達や衛生環境の改善により、健康寿命がのびた。ということです。私の父なんかはもと自衛官でしたので定年が54歳と早かったです(満54歳の誕生日に定年を迎えるんですよ)。
今は60代ですが、再就職をして働いています。だいぶピンピンしているので、定年後といってもまだまだ人生は長いなと思います。休日はさくらんぼ狩りに出かけて、北海道から東京の私の家に送ってきたりします(笑)。厚生労働省のまとめによると2019年の平均寿命は男性が81.4歳、女性が87.4歳とのことで、いやぁついに80歳の大台に乗りましたか!という感じです。
たとえば60歳で定年を迎えたとしたら、そこから約20年は余生があるわけです。単純計算とはいかないですが、20年もあれば新たに趣味を始めたり、セカンドキャリアを築いたりできますよね。先日TVで75歳をすぎて絵画を習い始め、画家として活躍している方が紹介されていました。たんに寿命が伸びているのではなく、「健康寿命」が伸びているので、生きがいってのは大事です。
(2)社会保障費の増加
これは楽しい話ではないですが、健康寿命が伸びるとはいっても、高齢になるにしたがって病気になりやすくなります。病院の厄介になることも増えるでしょう。年金も社会保障費です。日本は国民皆保険制度をとっていて、強制的に健康保険に加入するかわりに、治療等が必要になったら1〜3割負担で標準治療が受けられる。という仕組みになっています。
ここで、人口ピラミッドをみてください。
内閣府 「選択する未来」人口構成 第2章 人口・経済・地域社会の将来像 より抜粋
1940年〜2010年までの人口動態がグラフで示してありますが、いわゆる2025年問題というのをご存知でしょうか?戦後すぐの第一次ベビーブーム(1947年~1949年)の時に生まれた、いわゆる”団塊の世代”が2025年には後期高齢者(75歳)の年齢に達し、国民の4人に1人が75歳以上になる。ということです。これがなぜ問題なのか?というと、単純計算で一人の生活を三人で支えなくてはならない。ということだからです。
単純に、高齢単身者が1ヶ月に生活するのに必要なお金は約16万円といわれています。これを3で割ると約53000円ですので、高齢者を支えるだけで53000円を社会保障費としておさめる形になるのです。実際は高齢者だけを支えているわけではないので、もっと保証費用は高くなります。たとえば出産する世代への保証がなければ、どんどん出生率は減り、悪循環になるでしょう。
2025年って、もうすぐそこですよね…。このような事態になったときに、健康寿命がのびているのであれば、高齢者といってもまだまだ働いてもらいたい、つまり税金を払ってもらわないと保証ができない!という流れです。
今後は、定年の年齢が引きあげられるでしょうし、高齢者の医療費1割負担も3割負担にせざるを得ないと私は想像しています。もしかしたら、医療費が5割負担とかになり、お金がある人しか医療を受けられない流れになるかもしれないですね。
国や会社は守ってくれない
と、こういう時に「じゃあ国がなんとかすれば良い!」「会社に勤めていれば安泰」「安定している会社に入らなきゃ」とかいう人がいますが、残念ながら国の運営も私たち国民の税金で成り立っていますので、納める人や生産する人がいないと成り立ちません。
だって、考えてみましたか?コロナ渦のこの今の状況って、かなり社会は混乱していますし、消費が落ち込んでいますよね。今後景気が悪くなるのは目に見えています。失業した人だっているはずです。こういう時、国が頑張っていないわけではないですが、どうしても対応が遅くなりますし、いっとき数十万円を保証してもらったからといって、生活自体が上向くわけではないですよね?
国が悪い!というよりは、国のせいにしていていはいけない。そう強く感じます。コロナがあってもなくても、どっちみち少子高齢化は避けられない問題ですし、2025年問題なんていうのは、ずっと前から言われていました。ですから私は、「国や会社に守ってもらわなくても、自分で自分を雇用できるようになろう」と思ったのです。
というか、そうならないと人口ピラミッドとともに沈んでいってしまう。と危機感を感じたので起業したというのも企業の理由として大きいです。中学校の頃に社会の授業で各国の人口ピラミッドをみて「え、日本やばくね?もうベビーブームとかこねーだろ。え、これどうすんの?」とはじめておもったことを今思い出しました(笑)。
自らを雇用できるようになる
そんなわけで、どこかに雇ってもらうのも良いですが、自分で自分の雇用をつくり出せるようなスキルをつければ強いんじゃないか?って思ったんですよね。こういったコロナ渦のようなピンチの状態でも、うまくいっている事業や業者はあります。まさに「ピンチはチャンス」ですよね。
逆に言えばそのように考えていける考え方の基盤がないと、傾いた景気とともに沈んでいくしかない。これが怖かったんですよ。業種業態にもよりますが、「コロナ渦だからうちは潰れちゃう!!コロナのせいだ!」とかいっているような会社や事業は、はっきりいって風が吹けば潰れるような弱い経営基盤しかないのです。ウイルスに勝とうと思っているのがまず身の程知らずですけどね(笑)。ウイルスはチート。
私は自分の人生を、自分でコントロールしたかった。というのが起業の大きなきっかけです。かなりわがままな動機ですが、みんなもっと自分を大事に、わがままに生きてもいいんじゃないのか?人生一度きりだぜ?(だぜ?)と、日本の人たちを見て思うことはよくあります。
私は、30万円で人生を買った
いよいよその危機感が強くなった時に、自分で自分を雇用するには、商品の作り方や売り方がわからないとできないんじゃない?と気づいたので、マーケティングを勉強しよう!と思い立ちます。私が30歳の時でした。なんか、年齢の10の位が変わる時って、転機になりませんか(笑)?これは私だけではないと思います(たぶん!)。
当時、マーケティングといっても、そういう職種を経験しているわけではありませんし(看護師しかしてこなかったので)、そもそも普通の会社員経験すらなく、すごく不安でした。けれど、「やらないで後悔するよりは、やって反省したほうが良い」と決心して、マーケティングを学んでみることにしました。
たとえば平均寿命の話をすれば、30歳の時にマーケティングの勉強を始めて、それから自分のビジネスを構築し始めたら、平均寿命は87歳ですから、あと57年あるという計算になります。これまで生きてきた時間よりも長いわけです(笑)。けれど、ここでやらないという選択をした時に、残りの57年を「やっぱりやってみればよかったな」とずーっと後悔して生きる羽目になるのです。最悪、死ぬ瞬間まで後悔しますよね。そういう患者さんを、看護師時代たくさんみてきました。
マーケティングをまるっと教えてくれるスクールのようなところで学んだのですが、その時の費用は約30万円で、私の1ヶ月の手取りのお給料くらいでした。なので、「やる」という決断をするまでにはすごくドキドキしました。けれど、30万円はまた稼ぐことができるけれど、やらなかった後悔はとりもどすことができない。つまり、天秤にかけて比べた時に、以下のようになりました。
得る | 失う | |
チャレンジする | ビジネスのスキル | 30万円 |
チャレンジしない | なし | 未来 |
え…チャレンジしないことで、得れるものって何もないじゃん…。今と変わらないじゃない…と気付きました(笑)。人って、失うことの方が怖いと思うバイアスがあります。実際に様々な実験でも、そのような結果が出ており、だいたい2倍リスクがあると感じるようです。さらに、未来を失うことよりも、お金を失うことの方が臨場感があるので、反応してしまうんですよね。
私は母を癌で亡くしているので、未来を失うことは嫌でした。正確にいうと、絶対に!いやでした。確率的には低いですが、いつどうなるかわからないのが人生ですから、やりたいことはやってみたい!そうおもったのです。そうして当時としては大金である30万円を支払って、マーケティングやコピーライティングを学びはじめます。
結論から言うと、本当にこの決断をして、心から良かったと思います。あの時、「未来を失うという選択をしない」という道を選んでいたから今があります。起業、経営を経験できたというのもありますが、自分で自分を雇用しないといけないので、ちゃんと自分の考えに責任を持つようになります。そうでなければ、今も文句ばっかり言っていた自分のままだったと思います。
きっと愚痴や文句が出てくるのって、自分の力ではどうにもならないから、言うしかないんですよね。過去の私がそうだったのでわかります。今は、自分がしたことには全て自分で責任をとれるので、実は楽です。そして、とても楽しいです。愚痴ばっかり言っている人は、そのエネルギーを使えば、もしかしたらもっと建設的なことができる資質がある。ということかもしれません。
看護師時代に「あなたまだ若いけれど、後悔しないように生きなさいね。こうなってからじゃ遅いから。」と身をもって伝えてくれた患者さんたちに、「教えてくれて本当にありがとうございます。」と心からお礼を言いたい気持ちです。もうご存命でない方も多いですが。(実際、時々心の中で祈るようにお礼を言っています。なぜか初詣の時とか。笑)
今は別れ道のまっただ中
コロナのような有事の時は、時代の変化の速度が早くなります。どのくらいそれを感じている人がいるのかわかりませんが、私は強く実感しています。きっと、今後働き方も変わっていくことでしょう。雇用の形態も変わるでしょう。変化って、渦中にある時はわからないんですよね。あとから振り返ってみて「変わり目の時代だったよね」と言われます。
このような時代ですから、私たちのところにも、事業の見直しはもとより、セカンドキャリアの構築だったり、起業や副業の相談が増えています。こういった転換期に、ぜひ「ピンチをチャンスに」変えて欲しい。心からそう思います。そういったサポートも数多く出ていますので、何か活用してみるのは良いでしょう。
別に弊社は弊社のサービスが唯一無二で最高すぎるんだ!とはおもっておりませんで(笑)、他にもすばらしいサービスはたくさんあるはずです。ですから相性のよい人や会社などに相談してみるのも良いと思います。今後もそういうお手伝いができて、「ひとりひとりの未来の選択肢を増やす」ことができれば、私はとても幸せだなと思いながら、この記事を書いています。
おまけ:なんだこれ人口ピラミッド
おまけですが、これも内閣府のデータで、こんな人口ピラミッドの予測が出ていました。
いやいやいや、この出生率の回復よ(笑)!なにがどうなったら2060年にこうなるんだ…。なんでちょっとずつ出生率回復する予測になってんの?コロナで出生率が確実に今後数年は下がるから、もっと悪くなるでしょうよ。ポジティブに見積もってもこの程度です。つまり、後期高齢者を一人で支えていかなくてはならない時代が、きっとくるということです。
脅すわけではないですが、リスクは考えておいた方がよろしいでしょうね。あなたは、なにか対策をしていますか?「まだタイミングじゃない」とおもっている方も多いようですが、20代の人は「お金がない」30代・40代は「家庭のことが最優先」50代は「体力や時間がない」「もう若くない」などとおっしゃいます。
結局、どの年代であったとしても、「〇〇がない」はありがちですから、自分の考え方を変えるのが一番建設的である。ということでもありましょう。