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2021.02.12

SDGsとマーケティング

こんにちは。佐藤友子です。社会貢献や奉仕の気持ちがある人が、事業で陥りがちな罠があります。

 

レジ袋の有料化は焼け石に水

環境問題として「プラスチックごみ」があります。2020年にレジ袋が有料化されましたが、それによりプラスチックごみを減らすというねらいがあるようです。

 

2015年に国連サミットで、SDGsというスローガンが採択されました。ご存知の方も多いと思いますが、SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。2030年までに17の具体的な目標の達成が設定されています。

 

そのうち14個目の「海の豊かさを守ろう」という目標に対し、プラスチックごみの削減が対策になるというわけですね(プラスチックごみは海の生き物の生態系によくない影響があるため)。

 

レジ袋の有料化により、レジ袋の10%が削減される計算らしいのですが、そもそも海洋プラスチックごみのほとんどは、アジアであれば中国から出されています。日本の海洋プラスチックごみの正確な量はつかめていませんが、中国の5〜60分の1くらいと言われています(プラスチックごみ自体の量は日本は世界で8位ですが、それでも中国の8分の1くらい)。興味がある人は調べてみてください。

 

私は中国が悪い!と言っているわけではなく、日本のレジ袋を規制したくらいでは、大したインパクトにならない。つまり対策としては意味がほとんどなと言っているのです。「良いことをしている♪」というエコ厨になるだけです。

 

では、これ事自体は焼け石に水だとして、どのようなことが考えられるのでしょうか?

 

動けば「得」になる切り口

マーケティングというか、人間の本質として「基本的には自分の損得に一番の興味がある」ということを忘れてはいけないと私は考えます。

 

いくらきれいごとを言っても、なんだかんだ「自分にとってどういう影響があるの?」ということを、本能的に人間は気にします。

 

私はSDGsとは、非常によくできたマーケティングだととらえています。つまり、SDGsを掲げて動くことで、なんらかの得が生じるように作られているのです。もっといえば、同調圧力が働くようにできている。いじわるな言い方をすると、「うちの企業はSDGsを推進してます!」ということで支持が得られる。

 

もちろんSDGs自体はすばらしい考えだと思いますし、実現すれば非常に良いことが多いです。さらにいえば、SDGsが推進されることで、新たな産業やビジネスチャンスも生まれるでしょう(エコ系の産業やテクノロジーなど)し、そこを狙っている企業や国もありますよね。

 

ここから私たちが何をすべきかが、わかりますか?

 

慈善事業こそマーケティングを!

つまりですが、社会起業や福祉事業、NPOのような非営利事業をやりたい!という方こそ、真面目に普通にやっているからこそうまくいかない可能性が高いのです。こういった事業にこそ、マーケティングをうまく活用すべき。私はそう考えます。

 

とくに、専門家が起業しようと思いつく時なんかは悲惨です。内容は非常に素晴らしくても、世の中に向けてのアピール、つまり切り口やコンセプトを工夫するのが下手です。

 

SDGsのようにうまい仕組みを考えるか、あるいはSDGsのような大きな流れにうまく乗るのはおすすめです。いずれにしても、お客さんや社会に向けてどのようにアプローチすべきか?という点では、マーケティングは必須の知識であり技術と言えましょう。

 

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