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2021.09.24

ニセ株式会社

こんにちは。佐藤友子です。日々相談を受けいて思うことがあります。それは、私たちって、形式だけムダに立派なのが好きだなぁ…ということです。

 

知名度で選びました

弊社は会社の形式としては株式会社です。会社を設立したのは2016年なのですが、じつは最初は株式会社にするつもりはありませんでした。

 

というのも、特に株主から資金を集めて事業を展開するつもりがなかったからです。であれば有限会社で別に良いなと。しかし有限会社は2006年の会社法施行以来、新規設立できなくなりました。その代わり、最低資本金制度が取り払われたのです。従来までは株式会社であれは資本金1000万円、有限会社であれば300万円必要だったところ、会社は1円から設立できるで!となったわけです。

 

いわゆる「1円会社」「ペーパーカンパニー」みたいなのがある背景ともいえます。

 

会社法施行により新たに設けられた会社形態に「合同会社」というのがあります。興味がある方は調べてみていただきたいのですが、最初はこの合同会社にしようと考えていました。

 

というのも、基本的な会社の性格として、株式会社は株主から大幅な資金調達をするものであり、合同会社は出資者=会社の経営者だからです。であれば、合同会社のほうが良いのでは?という流れでした。

 

が、顧客に聞いてみたところ、合同会社という会社の形式自体を知らないという人が多く、顧客に対しての認知面で株式会社のほうが有利と考え、株式会社を選択しました。立ち上げるばかりの会社なので、できるだけ顧客に与える安心感が多いほうが良いだろうという判断です。

 

現在は合同会社の知名度も上がってきているので、私が新たに今のような会社を設立するのであれば、合同会社にすると思います(株主から資金調達すべきものに関しては株式会社にしますが)。

名前だけは株式会社だけど…利益は??

そんなわけで、2006年5月以降に株式会社を設立した場合、案外形式だけは株式会社であるものの、フタを開けてみると利益があんまり出ていない!というケースもあります。

 

知り合いに聞いた話で、なんじゃそりゃと思ったことがあります(笑)。

「株式会社という名前がつくとそれなりに大きな会社と思ってもらえる。だから少ない資本金で株式会社が名乗れるのは嬉しい!」

いや…それ、ハリボテじゃねぇか!!!見栄を張ってたくさん買い物をしてるけど、実際はリボ払いで必死にやりくりしてる人のことを思い出しましたよ…。

 

株式会社→すごい、会社をたくさん経営している→すごい、というぼんやりとした認識が消費者にはありがちなので、イメージを活用してペーパーカンパニーをそれなりの数持っている人もいます。私たちって、実質ではなくイメージで判断してしまうことはよくあるよなぁ…。となんとも言えない気持ちになったことを思い出しました。

 

そんなわけで、もともと持っている会社の種別ごとの特徴がわかりにくくなっています。ゆえに、形式だけは株式会社で「なんかすごそう」でも、実質利益はあんまり出ていない。例えば実際には社長一人で運営していて自転車操業。人に任せたくても、

  • お金がないから一人でやるしかない
  • 自分しかこの仕事はできない(と思い込んでいる)
  • 自分の仕事だけは特殊(と思い込んでいる)

という、うまくいっている個人事業主よりも実質ひどい状況はままあります。私はこのような状況を「ニセ株式会社」とよんでいます。

 

事業主として優秀だからなんでもそれなりにできてしまうことが仇になり、結果的に自転車操業になってしまっているというわけです。

 

しかもこの状態でお客さんが多少なりともついてくるとプライドが出てくるので、よけいに自分がうまくいっていないことを認めるのが怖くなり、必死で平気な顔をして自転車操業を続けます。器用貧乏はマジで貧乏ってことです。器用貧乏と言われてちょっと嬉しくなっちゃう人は気をつけてくださいませ。

 

なにごとも、実際の数字や実情を見て判断してくださいねってことです。私も無意識に、ついイメージで判断してしまいがちなことがあるので、気をつけねばと思います。

 

やや雑なまとめになりますが、↑の事例のように、事業においては利益や売り上げが少ないというのが、最緊急課題であることがほとんどです。それを認めるか認めないか?は大きな分かれ道となり得ます。

 

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